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2014.10.29

コラム2:「チャレンジは早い方がいい」

コラム2:「チャレンジは、早い方がいい」

宗教、文化、習慣の違い。

ありきたりですが、アジアをベースにITFを回っていて感じる事です。

 

日本人の常識であっても、諸外国では非常に柔軟であったりします。

日本人の常識が正しいかどうを言いたいのではなく「それらの常識で、日本人は結果的に窮屈になってはいないか?」と感じる事が多々あります。

 

ITFジュニア(13歳~18歳)の中での一例ですが。

日本の場合、ITFジュニアに対して1315歳の時期は非常に慎重であるように感じます。

逆に、他国は14歳にはどんどん出ていこうやと積極的に考えてます。

 

この話を日本のテニス関係者と議論した事があるのですが、「日本のジュニアは成長が遅く、身体的にもついて行けない」的な意見が多くでした。

僕の意見の側面ははそうではなくて、1314歳にITFに出て行こうと目標が出てこないのは、そもそもコーチ達のITFへの目標が薄いのが一因である。

純粋に強くしたいなら、この成長期にどんどんチャレンジさせないでどうするのと思うのです。

 

そもそも、他国のジュニアであっても1314歳は全然身体なんて出来ていません。

しかし、ITFに出て刺激や何らかの収穫を持ち帰り、成長期の過程でどんどん力を付けていきます。

 

実際に、今年の6月に開催されたバンコク大会(G4)と8月に開催された兵庫大会(G5)を比較してみるとその傾向の違いが見えてきます。

 

注目するポイントは、予選に出場している自国のジュニアの年代について。

 

兵庫大会(予選)で16歳~17歳の出場者は、日本の予選出場者全体の53%を占めています。

13歳~15歳は46%。

傾向として、G5ITFジュニアの最下部のグレード)の大会であるにも関わらず、予選の半数以上が16歳以上で、低年齢からの挑戦は狭き門になっていると言えます。

 

それに比べ、バンコク大会は13歳~15歳までがなんと81%、16歳以上は僅か18%です。

 

完全に傾向の違いが出ています。

それにしても、ここまで違うのはどうですか。

 

本当に、世界へ開いている大会であるなら、しかもグレードの下位の大会であるなら、1314歳からどんどんチャンスを与えるべきなのは常識的に言うまでもありません。

 この流れは、アジアの中でも遅れを取っていると言えます。

ジュニア最後の年に、あと1年あれば…と多くのジュニアが感じる事。

それ自体が、日本のテニス界の改善していきたい常識だと思うのです。

Ma+Sea Academy

「Asia Sports & Education Academy」(タイ・バンコク)が本拠地のテニスアカデミー。

「Team MaSea プロジェクト」のプロデュースを行っています。

沢田昌昭

Masaaki Sawada

MaSea Academy

(タイ、バンコク)代表。

98年にバンコクでMTT(MacyTennisTeam)を設立。

ジュニアの育成とITFに特化した活動を続け、14年にはジュニア育成の独自の新しいビジョンを求め「MaSea Academy=スポーツと教育の共存」をスタートさせた。

ITFジュニアは、ツアーコーチとして今年で15年目。これまで多くの日本人ジュニアの遠征を担当。

タイ、ミヤンマー、ネパールのデ杯やアジア大会のナショナルスタッフ、コーチも務め、幅の広い経験を生かし選手育成に情熱を注いでいる。

テニスクラシック「アジア通信」連載。

札幌日大高アドバイザリーコーチ。

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